技術で未来を切り開く

マルヤス工業 技術開発部に聞く、
新製品開発の現場。

自動車産業を中心に様々な技術革新を進めてきた
マルヤス工業は、
長年にわたり培ってきた技術や
知見を活かした新規事業にも積極的に取り組んでいます。
再生可能エネルギー利用や、カーボンニュートラルへの寄与、新素材活用など、
未来の子供たちによりよい地球を繋げるために、
経験と新技術を掛け合わせ私たちの挑戦は続きます。

マルヤス開発座談会

Q.1開発を進めている
自動車部品は?

現在、自動車部門としては電動車向け製品の開発や、樹脂化・アルミ化・薄肉化による製品の軽量化に力を入れています。またその他にも、地球環境への負担を低減するため、チューブ製品を複層ではなく単層にすることでリサイクル性の向上を図ったり、植物由来の素材を使った製品の開発を試みているところです。
コストダウンや性能向上、製造時の環境負荷低減などの課題に対して、マルヤス単体ではなく、材料メーカー様や仕入れ先企業様にも協力いただきながら取り組んでいます。

Q.2自動車分野以外の新製品
プロジェクトは
ありますか?

太陽熱給湯システムと、熱発電システムの開発を進めています。
太陽熱給湯システム(リテラ)は、太陽の熱でお湯を沸かす給湯システムで、マルヤスのコア技術である熱マネジメント技術を用いて開発しました。再生可能エネルギーを利用したカーボンニュートラルに貢献する製品で、直近に迫った量産開始に向け試験を重ねています。
熱発電システムはまだ研究開発段階ですが、工場廃熱を回収し、小規模な設備での発電を目指しています。こちらは大学や他企業と協働で研究開発を進めています。

Q.3新製品の開発において
大切にしていることは?

自動車部品の開発の場合、2-3人程度のチームで担当しますが、太陽熱給湯システムの開発は15名程のメンバーで取り組んでいるため、意見をまとめるのに苦労しています。そこで意識的にコミュニケーションを増やし、全員で目標を共有することを大切にしています。また、新製品開発は多くの方の協力が必要となるため、他部署とも日々意見交換をしながら進めています。さらに、特定の分野のみならず幅広く情報収集を行い、若いメンバーの意見も積極的に取り入れています。

Q.4これからの未来を見据えた
新商品の開発とは?

「脱炭素」の流れを受けてEV化が急速に進む自動車業界において、未来を見据えた新製品開発は常に求められています。その中で生まれたアイデアや新素材へのアプローチは自動車業界という限られたフィールドだけでなく、建築業界や医療分野など幅広く活用できる可能性を秘めています。
今の社会で求められているものは何か、使っていただくお客様に喜んでもらえる製品は何か、その中で我々ができることは何かと常にアンテナを張り、事業分野に縛られることなく今まで培ってきた技術を活かした新規事業にも積極的に取り組めるよう、これからもチャレンジを続けていきます。

EV向け製品

※他にも、リサイクル可能な新素材を使用し、
従来品より60%の軽量化を実現した
EV向け製品を2024年量産に向けて開発中

軽量化に向けた取り組み

太陽熱給湯システム

太陽熱給湯システムは、再生可能エネルギーのひとつである「太陽熱」を使って温水を作るシステムです。太陽熱を集める集熱器と、温水を貯める蓄熱ユニットで構成され、リモコンで集熱状況などを確認することができます。太陽光発電のエネルギー変換効率が10~20%程度であるのに対し、太陽熱給湯システムは約50%で、太陽エネルギーをより効率よく利用することができます。家庭に導入することで、給湯コストの削減だけでなく、カーボンニュートラルにも貢献することができます。また、耐久性にも優れ、災害時には蓄熱ユニットに蓄えられたお湯を使用することができ、災害レジリエンスの観点からも注目されています。
「負担を強いない再エネ利用」をコンセプトに開発を進めており、2022年初時点で2つのマンションにモニターとして設置、今後も随時展開していく予定です。

プログラマブル水耕栽培装置

小型マイコンを内蔵し、LED、ファン、ポンプなどのデバイスの制御と温度、湿度のモニタリングに加え、植物の生育状態を予め設定した頻度で撮影することで生育状態の連続観察を可能とした装置です。
近年、小学校でのプログラミング教育に用いられることの多いスクラッチ(ビジュアル型プログラミング言語)で制御を行う事も可能で、画面の中だけにとどまらないIoTの要素を併せ持つ教育ツールとしての用途、さらには家庭や各種店舗においてディスプレイ+ミニ菜園の用途も兼ね備えています。
現在、飲食店、小学校等にてモニター評価を実施しており、将来的な事業展開も視野に入れています。

血液中循環がん細胞(CTC)
検出装置

当社の自動車部品開発で培われた流体制御技術は、医療分野でも注目されて
います。
血液中に循環する数億個もの細胞の中から、ガン細胞をフィルタリング・抽出するシステムを開発。フィルタリングした細胞は非常に繊細なため、スライドガラスへの自動転写装置も開発し、DNAなどの分析が行えるようになりました。2020年から国立名古屋大学での研究に活用されています。今後、多くの医療機関や大学病院などにおける臨床試験で活用され、学会でその有効性が認められれば、大きな社会貢献につながるものと思っています。

image
image
image